繊維素材などを専門とする東レが2011年9月9日、炭素繊維などを使って、軽量化と同時に衝突時の安全性を高めた電気自動車(EV)の試作車を発表しました。従来の自動車は鋼板主体で作られていますが、鋼板に比べ車体重量と二酸化炭素(CO2)排出量を大幅に低減することに成功しました。2015年の実用化を目指しています。
電気自動車は、1回の充電による走行距離を伸ばすことが最大の課題ですが、その為には車体全体の軽量が重要になっています。車体重量の大部分は電池ですが、素材を軽量化することで、車体全体の重量を抑えることも重要になっています。
東レの炭素繊維はこれまでも航空機、船舶、乗用車の一部などに使われていますが、その実績とノウハウを活かして今回は電気自動車の素材に乗り出したものです。
今回の試作車の名前は「TEEWAVE AR1(ティーウェイヴAR1)」。2人乗りのオープンカーですが、4人乗りのセダンやワゴンにも流用可能な設計構造となっていて、さらに改善を進めて自動車メーカーに採用されるような実用化の目処をつけたい模様です。 車体の重量は846kgで、鋼板で出来た従来の電気自動車に比べて約4割軽くなっています。また、仮に4人乗りで製造した場合でも975kgで作ることが出来るとしています。また、鋼板に比べて2.5倍の吸収性能を実現したことで衝突時の安全性も高めています。
今回の電気自動車の試作車の製作費は約3億円とされ、車体の床部分などに炭素繊維と樹脂を混ぜた複合材料を使用しています。複合材料はさまざまな形に加工できるため、部品点数も約20分の1まで減らすことが出来るといいます。
また、車両登録すれば日本の公道も走れます。
最後に今回の電気自動車の試作車TEEWAVE AR1の車両全体のスペックについてですが、 車両のデザインや構造設計は、環境対応車の企画・設計などを手掛ける英Gordon Murray Desing社に委託して設計、具体的なスペックは次の通りです。 寸法:全長3975×全幅1766×全高1154mm 車両重量:846kg(うち2次電池は220kg) 電池:リチウムイオン 電力消費率:11.6km/kWh 最高速度:147km/h 航続距離:185km(JC08モード)
電気自動車は、ガソリンエンジン車に比べ部品点数が少ない一方、電池の重量が重たいことから車体全体の重量の軽量化が課題になっています。 今後はこのような素材競争が活発化すると思われますが、東レのように航空機など電気自動車と同じように軽量化が課題の乗り物の素材に取り組んできたメーカーが先行していくものと思われます。 |